応対品質と業務効率の向上を実現するための
コールセンターマニュアル作成の“コツ”
INDEX
コールセンターマニュアルの目的とメリット
コールセンターマニュアル(以下、マニュアル)は、単なる問い合わせ応対の台本(手順書)ではなく、企業や製品・サービスに関する基本情報やビジネスマナーなど、オペレーターに必要なさまざまな内容を網羅した、欠かすことのできない存在です。
マニュアルの導入目的は、ひとえに顧客満足の向上にあります。マニュアルがあることで、経験の浅いオペレーターでもベテラン同様の品質で応対できるようになり、結果として顧客ロイヤルティの強化にも貢献します。このほか、下記に挙げるような様々なメリットが期待できます。
生産性向上
応対時間の短縮によって、オペレーターの応対可能件数が増え、少ない人員でも対応できるようになります
オペレーター早期育成
教える負担を軽減し、自習で幅広い知識が得られ、オペレーターの早期育成に繋がります
教育のレベルアップ
マニュアルに準拠して研修・OJT・ロールプレイングをおこなうことで、教育の品質向上と標準化が期待できます
未経験者採用を支援
充実したマニュアルの存在は、未経験者が応募する際のハードルを下げ、オペレーター確保にプラスとなります
インシデント防止
顧客情報の取扱や就業規則など、ルールや社内規定を網羅することで、インシデント発生リスクを低減します
一般的な構成要素と作成のポイント
コールセンターマニュアルには、コールセンター業務に関わる広範な情報が体系的に網羅されます。一般的には、下記のような要素(カテゴリー)で構成されます。検索性を高めるためにカテゴリーごとにマニュアルを分ける場合は、リンクを設け、横串で関連する情報を紹介すると学習効率が高まります。
企業やビジネスに関する基本情報
代表者名、ビジネスの概要、企業理念など、企業に関する基本情報を網羅し、オペレーターが正確&適切に回答できるようにします。必要に応じて、迅速に最適な部門・部署にエスカレーションできるよう、組織とそれぞれの役割についても説明を加えます。
取り扱う製品やサービスに関する情報
製品やサービスに関する問い合わせに際し、できるだけオペレーターがその場で対応できるよう、問い合わせが想定される情報を漏れなくまとめます。
ビジネスマナー
不適切な対応により二次クレームに繋がる事態を回避するためにも、言葉遣いや敬語表現、態度、マナーなどについて具体例を挙げて紹介します。
社内規定・ルール
企業として定めるべき顧客情報の取り扱いや就業規則など、各種社内規定やルールをマニュアルに明記することで、内部統制を強化できます。これにより、顧客の利益を守ると同時に、オペレーターの健康や働きやすさの確保にもつながります。
ツールやシステムの使い方
コールセンターに導入しているCRMやCTIなどのツール・システムの操作方法を解説します。最近は、CTIで録音した会話のテキスト化やその要約などでAI活用が拡がっており、ツール・システムの複雑化・多様化が進んでいます。
トークスクリプト・FAQ
過去の応対事例を元に、問い合わせに対しどのように応対するかのテンプレートを用意します。回答パターンが限られ、比較的簡単にクローズできる問い合わせについては、FAQとしてまとめることをお勧めします。
マニュアルは、オペレーターが自習したり研修で使用したりするほか、現場で応対をしながら参照するケースも想定されます。作成にあたっては、そうした場面で欲しい情報がすぐに見つかるよう、実際に問い合わせの多い順に並べる、FAQを充実させるといった工夫が求められます。
また、マニュアルに定めのない複雑な問い合わせを想定し、折り返し対応の判断基準やエスカレーションフローについて具体的に規定し明記しておくことも重要です。
“現場で使える”トークスクリプト・FAQ作成のコツ
問い合わせ応対の“ベストプラクティス”を集めたトークスクリプト(応対マニュアル)は、応対品質のばらつきをなくし、経験の浅いオペレーターの不安を軽減するという意味で、最も重要なコンテンツと言えます。現場で使える(オペレーターにとって役に立つ)トークスクリプトを効率的に作成するために、下記のようなアプローチがお勧めです。
ベテランのトークを集め、そのノウハウをテンプレート化
ベテランオペレーターの応対事例は、経験の浅いオペレーターにとって参考になるノウハウの宝庫です。スキルの高いオペレーターの会話内容をデータとして収集・分析し、トークスクリプトとしてテンプレート化します。こうしてベテランのスキルや知見を全体に共有することで、応対品質の標準化と全体のレベルアップを実現します。
多様なペルソナに対応するトークスクリプトを用意
応対内容は問い合わせ者の年齢や性別、対象となる製品・サービスによって大きく異なる可能性があります。このため、トークスクリプト作成に際しては、ペルソナをできるだけ詳細に設定したうえで、想定されるペルソナに対応する複数のトークスクリプトを用意するのが理想的です。
過去のトラブル事例をチェックして、対策を盛り込む
クレーム対応はベテランオペレーターにとっても困難で、沈着冷静かつ臨機応変な応対スキルが必要とされる領域です。不適切な応対から二次クレームなどのトラブルに繋がることを回避するため、過去のトラブル事例を収集・分析して、対策を盛り込む形でトークスクリプトを作成します。
ロールプレイングを実施し、実用性・実効性を検証
作成したトークスクリプトについて、実際にロールプレイングを実施してその実用性や実効性をチェック。必要に応じて手を加えてブラッシュアップします。その際は、ベテランから新人まで、できるだけ多くのオペレーターが関与して、“現場で使える”トークスクリプトを目指しましょう。
比較的シンプルな問い合わせ応対はFAQ化
挨拶・名乗りからはじまり、メインの問い合わせ応対を経て、課題が解決できたかの確認と挨拶で終わるトークスクリプトは、文字量などがリッチになるため、トークスクリプトのみで様々な事例を網羅するのは非現実的です。シンプルな内容の問い合わせで回答パターンが限定されるものについては、一問一答形式のFAQにして検索性を高めることをお勧めします。逆に、故障・修理依頼などのように、複雑なフローが想定される問い合わせについては、フローチャート型にするなど、内容に応じて形式を使い分ける必要があります。
現場で使われ続けるためのポイント
コールセンターマニュアルは、一度完成すればそれで終わりではありません。製品やサービスの仕様などに変更があれば、速やかに反映する必要があるのはもちろんですが、研修・ロールプレイング実施時や、業務でマニュアルを利用するなかで気付いた改善ポイントについて、継続的に修正・変更していくことが重要です。また、問い合わせ件数やトレンドを日々ウォッチして、頻度の高い内容を上位に、記載順を入れ替えるといったきめ細かな対応も求められます。
そのためには、コールセンターマニュアルに関する責任者を決めて定期的に改善ポイントを集約し、オペレーター全員参加型のプロジェクトとして継続的に運用しつづける体制が理想です。また、頻繁に内容をアップデートしていく上で、紙のマニュアルは非効率なため、電子化してクラウド上で最新版を共有するなど、仕組みの構築も求められます。
テキスト化からFAQ作成まで、ワンストップで対応する コールセンターCRM「CSStream」
オペレーターにとってコールセンターマニュアルの肝となるトークスクリプトやFAQですが、その作成は容易ではありません。まず、ベテランオペレーターの電話応対内容をCTIで録音し、取り出した音声データをテキスト化ツールで文字起こしします。その後、内容を十分に分析した上で、参考となる事例を選定し、要約・編集を経て最終的なトークスクリプトへと仕上げていく必要があります。
こうした一連の作業をワンストップで効率化してくれるのが、コールセンターCRM「CSStream」です。メールやCTIなどと柔軟に連携できることが特長で、例えば、メールで寄せられるテキストデータや、CTIの機能で録音した会話を、AIツールで音声認識・テキスト化・要約したうえで「CSStream」に取り込み、一元管理することができます※。さらに、生成AIが応対事例をもとに自動作成したFAQを検索できるようになり※、オペレーターは応対しながら最適な回答例を参照することができます。これによって品質の高い応対を効率的に実現することが可能です。
コールセンター基盤にCSStreamを採用することで、業務ごとに複数のツールを使い分ける必要がなくなり、ツール・システムの学習コストを最小化、データの分散化を回避、といった効果が期待できます。
※AIツール/生成AI連携は近日リリース予定
AI連携でテキスト化から要約やFAQ作成まで自動化

