COLUMN コールセンターお役立ちコラム

CRM導入の失敗パターンと回避策を徹底解説

顧客データを管理し、CSの向上・ロイヤルティの強化を目指すためのツール「CRM」。営業やマーケティング、コールセンターなど、顧客接点をもつ各部門に特化したSaaS製品も様々登場し、幅広い企業で導入されている。本コラムでは、CRM導入でありがちな失敗パターンとその原因を取り上げた上で、中堅・中小企業のコールセンター視点で、失敗しないためのアプローチとお勧めのCRMを紹介する。

CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)は文字どおり、取引先や自社製品・サービスのエンドユーザーなど、自社の顧客に関するデータを管理するツール(仕組み)により、登録されたデータを活用することでCSの向上・ロイヤルティの強化につなげることを目的としている。その歴史は古く、CRMという言葉が登場したのは1990年代までさかのぼる。当初は、オンプレミスのデータベースを基盤とする製品が主流だったが、現在グローバルで広く導入されているクラウド型(SaaS)製品が2000年前後に登場し、同製品が牽引する形でSaaS CRM市場が急速に拡大。2019年以降のパンデミック・ここ数年のDXブームを経て、業種や規模を問わず幅広い企業で導入されている。

全社導入か、部門導入か

企業におけるCRMユーザーは、営業・広報・マーケティング・コールセンターなど、顧客接点をもつあらゆる部門に拡がるが、部門によって導入目的が異なり、BtoB / BtoCのどちらか、または、業種によっても登録管理する顧客情報や機能要件が大きく変わる。最新のCRM製品には、多様な部門・業種ニーズに応える多機能で汎用的な製品がある一方で、特定の部門や業種に特化して顧客情報や機能を絞り込んだ製品も登場している。全社導入して顧客情報を一元管理できる前者は、エンタープライズ向け製品が多く、機能を絞り、部門ニーズに最適化された後者は、中堅・中小企業向け製品が多い。特定部門向けCRMとしては、次のようなものがある。

営業部門向けCRM

自社製品・サービスの売り上げの拡大を目的とし、取引先に関する情報のほか、提案にはじまり見積もり・納品・請求へ至る商談履歴や納品後のサポート履歴などの情報を一元管理する。営業部門にとって、今、顧客にどんな提案をすべきか、が可視化されると同時に、顧客ニーズや市場全体の変化などのマクロ的な気づきが得られるメリットがある。SFA(Sales Force Automation)と重なる領域が広く、連携して利用されるケースも多い。

マーケティング部門向けCRM

マーケティング部門が実施する販売促進の施策に関する情報を管理することで、より効果的な施策の実施を支援する。Webの閲覧履歴など、顧客行動やペルソナを分析し、細かくターゲティングする。そして、それぞれに最適な施策を実施することでROIの最大化を目指す。MA(Marketing Automation)と重なる領域が広く、連携して利用することで、さらなる効果が期待される。

コールセンター向けCRM

お客様相談室やサポート窓口など、コールセンターに寄せられる顧客の声(VoC)を管理する。電話に限らず、Webフォームやメールなど、多様なチャネルを経由して寄せられるお客様の声への対応を履歴管理することで顧客中心の対応を実現する。インバウンド業務に特化して問い合わせ対応に力点を置く製品が多く、「問い合わせ管理システム」と呼ばれることもある。

CRM導入の失敗パターンとその原因

顧客データを管理・活用することで、CSを向上・ロイヤルティの強化を実現するCRMだが、思っていたほど成果を出すことができていない……という失敗例も少なくない。よくある失敗の原因(ポイント)としては、下記のようなものが考えられる。

トップダウンで著名製品を導入

CRMは、現場の担当者が日々情報を入力する必要があり、業務に合った入力項目や入力のしやすさを優先すべきだ。現場ユーザー視点での機能やデータ入力のしやすさをないがしろにしたCRM導入は失敗する可能性が高い。「ライバル会社が●●●を導入したらしい……我が社も導入しなければ」というトップの鶴の一声で、特定のCRMを導入するのは避けたいところだ。

何を実現したいのか、目的が不明確

すべてのツールに共通することだが、そのツールを導入することで何を実現したいのか、を明確にした上で、その目的に最適なツールを選定するのが、基本であり鉄則だ。目的が明確でない導入は、現場ユーザーにとって、CRMへのデータ入力という新たな作業が加わるだけで、メリットがなく、時間とともに利用が低調になり、失敗に終わる可能性が高い。

自社(自部門)の業務に合っていない

現在CRMについては、初期投資を抑えて導入できるSaaS製品が多数提供されていることは前段で紹介したとおりだが、基本的にSaaS型CRMのカスタマイズ性には限界がある。このため、製品選定を一歩誤ると、入力項目が業務に合っていない、機能が足りず、知りたい情報が得られない、といった不満に直結する。

いきなりフル機能を使いこなそうとする

機能が豊富なCRMで陥りがちだが、最初からフル機能を使い、入力項目も最大にしてはじめるのもNGだ。あらゆるツールに言えることだが、どんなに“簡単にできる”と言われても、実際には一定の学習期間が必要で、現場にとっては少なからずストレスとなる。目標をいくつか設定し、そのなかでメリットが大きく、実現しやすいものからはじめ、成果やメリットを享受した上で、次に進む段階的アプローチが望ましい。

導入効果を測定し、共有する仕組みがない

継続的アプローチが求められるCRMのようなツールにおいて、導入によってどういう効果・成果があったのか、が見えない、わからない……という状況は、モチベーションを維持し、さらなる効果・成果につなげる上でも不健全だ。従業員によって体感できるメリットに濃淡が出ることは致し方ないとして、それをきちんと測定し、関係者全員で共有する仕組みや取り組みが欠かせない。

ほかのシステムとの連携が難しい

CRM導入では、基幹系のERPや営業支援のSFA、コールセンターで用いるCTIなどほかのシステムと連携して手入力の負担軽減を目指すのが一般的だ。しかし、CRMによっては、メジャーな製品とは連携できても、マイナーな製品や自社でスクラッチ開発したシステムは連携できないものもある。容易に連携できるか、を慎重に検討の上、製品・サービスを選定したい。

ライセンスのコストがかさむ

一般的なSaaS製品では、アカウントごとにライセンスの購入が必要になる。一部ユーザーでスモールスタートして、効果や成果を確認しながら徐々にユーザーを拡大していくケースでは、予想以上にコストが膨らみ、その後、全社導入を進めるにあたり、ほかのCRMに乗り換えざるを得なかった……というケースも耳にする。

コールセンターの視点で考える中堅・中小企業のCRM導入

ここではさらに、ビジネスを牽引する営業部門が中心となってCRMを導入し、その後、マーケティング部門やコールセンターにユーザーを拡大していく“段階的な全社導入”のシナリオで、そこに潜む課題について考えてみる。

中堅・中小企業の営業部門がSaaS型CRMを先行導入し、「一定の成果が得られ、定着してきたので、マーケ部門やコールセンターにも使ってもらおう」となる流れはありがちだが、前段で挙げた、「よくある失敗例の原因」のいくつかに該当するリスクが高い。

例えば、コールセンターの立場で考えると、先行導入したCRMは、営業部門が選定したもので、入力項目や機能がコールセンター業務に合わない可能性が高い。しかし、SaaS型CRMの場合は、コールセンター向けの入力項目を追加することも難しい。また、オペレーターやスーパーバイザーにはCRMへの入力作業という新たな業務が発生し、ただでさえ人手不足の現場にとって大きな負担となる。(導入済みのCTIとの連携が可能であれば、幾分その負担を軽減できるが、それも不確かだ)

さらに会社として、コールセンターに集まるVoCを全社員が参照できるようにしたい……となると、ライセンスのコストが一気に跳ね上がる。なにより、導入目的や期待する効果・成果が不明瞭な状況では、その後の活用でメリットを感じることもなく、入力業務の負担感だけが募ることになる。

こうした点を考慮すると、中堅・中小企業のコールセンターの場合、営業部門などで先行導入したCRMを利用するのではなく、あくまでコールセンターが主体となって、コールセンター業務に特化したCRMを選定するのが“成功への近道”と言えそうだ。

コールセンターCRM「CSStream」とは

CRM導入で失敗したくないコールセンターにお勧めなのが、富士電機ITソリューションが提供するコールセンターCRM「CSStream」だ。下記のような特長・機能で、コールセンター業務の効率化やサービス品質の向上を実現する。

コールセンター向け入力項目の構築が可能

全部門共通の一般的な入力項目しか用意されないCRMに対し、コールセンター業務に特有の入力項目を構築でき、業務とのアンマッチが少なくて済む。

CTI連携が可能

BtoBに特化してCTI連携に対応しないケースが多いCRMに対し、BtoCのコールセンターで広く導入されるCTIとの連携が可能で、録音データの連携や着信ポップアップの表示などに対応する。

運用に合わせたワークフローの構築が可能

ワークフロー機能がないCRMに対し、問い合わせを受けての関連部門での調査など、二次対応を管理するワークフロー機能を提供。関連部門への依頼メール文の生成や自動配信なども可能。

過去・類似案件の検索機能で、入力負荷を軽減

類似の問い合わせが集中しがちなコールセンター業務に合わせ、過去案件や類似案件の検索機能を提供。登録済み情報(の一部)をベースとした入力で負担を軽減する。

メール連携が可能

メール連携により、コールセンターならではのフォームやメールでの問い合わせを、CSStreamで一元管理できる。(CSStream内で送受信も可能)

自動表示のFAQで、問い合わせ対応を支援

FAQを登録・管理でき、受付分類や問い合わせのあった商品情報など案件入力時に、参考にすべきFAQを絞り込み自動表示して対応の平準化を支援する。

二次クレームを回避するアラート機能を搭載

予め設定したルールに従いアラートを自動配信することで、問い合わせ対応の誤りや遅れにより、二次クレームに発展するのを回避できる。

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